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隈研吾という身体 自らを語る

隈研吾という身体 大津若果

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大津若果

発売日:2018.12.13
定価:2,808円
サイズ:四六判
ISBNコード:978-4-7571-6076-7

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この本の内容

【 建築・都市レビュー叢書 】   

「負ける建築家」隈研吾は、なぜ勝ち続けられるのか?    隈建築の思考回路に迫る  

《新国立競技場》 や 《山手線新駅》、パリ《サンドニ・プレイエル駅》をはじめ、国内外で数多くのプロジェクトを進行させ、現在、もっとも脚光を浴びている建築家、隈研吾の建築とその思考を読み解く一冊。
一般的には、建築家という職能は、パワフルで能動的(安藤忠雄)、アーティスティックで前衛的(磯崎新)、といった風に認識されているが、「負ける建築」を標榜する隈の建築思想の大きなキーワードは「受動性」である。隈においては、建築が受動的な行為であるのだが、その思考は一般の建築家イメージと真逆であり十分に理解されていない。
そこで本書では、隈研吾の今日までの来歴と、数ある著作と建物とを結びつけて検討し、さらに隈自身にインタビューすることによって、隈研吾の旺盛な活動の中にひそむ受動的なバネを明らかにする。

目次

序 隈と隈以外を分かつもの
エンクロージャーとしての建築/建築の外へ

第1章 建築は経済に従う――隈の幼年時代
 マイホームからの疎外/所有しないという幸福/弾けるバブル

第2章 身体的感性――隈の学生時代
 1 強固なロマンティシズム
 二人の師――内田祥哉と原広司/徹底的な現場主義
 2 「回天」神父との衝撃的な出会い
 栄光学園での生活/光と風と神父たち/黙想の家で死に向き合う

第3章 生きている伝統木造
 1 還暦三年後の《ジャパン・ハウス・サンパウロ》
 木造との出合い/ヒノキの木組み/影の色を見つける/「衣服的であり、音楽的でありたい」/木のノイズ/意匠と構造と施工の一体化
 2 生年の《サンパウロ日本館》
 「勝ち負け抗争」の美しい亡霊/和風建築からどう逸脱するか/脱「直線の時代」

第4章 商品ではない建築を目指して――隈の地方時代
 1 日本の片隅で建築を考える
 高知県梼原町との出逢い/地元の木から建築をつくる/反オブジェクトとしての建築/地域材は「よそ者」を「身内」に変える
 2 ブランド化する建築と建築家
 建築家における二つのタイプ/「商品」化される建築/ビルバオ現象/アイコン建築
 3 技術が物質と場所をつなぐ
 コストでもなく、スケジュールでもなく/自然素材がもたらした「予想外」/国際設計コンペ勝利の快挙

第5章 汎コンクリートから場所・素材・技術へ
 1 作品主義への懐疑
 隈はなぜ本を書くのか/大阪万博へのしらけ/吉田健一『ヨオロッパの世紀末』を読む/反省の時代/建築史家・鈴木博之というもう一人の師/地理的フロンティアの消滅
 2 「構法」から建築を考える
 「構法」の二つの特徴/小さな単位を見つけること/粒を揃えることの意味/今より害の少ない技術を用いる/目指すはオープンシステムとしての構法
 3 「物質」から建築を考える――「くまのもの」展
 ポケットにはエレメントがいっぱい/「樹形図」として隈建築を描く/遊び心を継承する/混構造であることの面白さ 4 継承するためにジャンプする
 「ジャンプ」とはなにか/磯崎流と隈流、その相違/伝統木造をトレースする/ローマは一日にして成らず

第6章 コンピュータを身体化する
 1 右手を怪我して得たもの
 フラットで、流動的な組織/手書きの図面からコンピュータの図面へ
 2 建築を「編む」
 〝アドベンチャー好み〞/原点は西アフリカの集落研究/素材の開発から関わる/隈流コンピュータの使い方/過酷な状況に陥ったとき
 3 自然素材の劣化していく美しさ――《アオーレ長岡》と《新国立競技場》
 「負ける建築」という方法論/駅前広場になった市役所/市民に開かれたスタジアム

第7章 世界の環境に愛される建築――隈の海外時代
 1 ローカルでもなく、グローバルでもなく
 漂う人として生きる/鏡としての妹島和世
 2 光と感動体験――《広重美術館》から《中国美術学院・民芸博物館》へ
 レム・コールハースの矛盾/「切断」から「継承」へ/「場所」のベストを引き出す
 3 環境のリノベーション
 先入観のない冒険/人間が生きることに寄り添う建築を

あとがき

図版目録

著者紹介

大津若果 (おおつ・みずか)

1975年生まれ。建築史、建築研究。早稲田大学大学院理工学研究科建築学専攻博士課程満期退学、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 論文博士(工学)。文化庁芸術家派遣在外研修員でメキシコに滞在。摂南大学理工学部建築学科 非常勤講師。博論「メキシコにおける機能主義建築と地域主義建築に関する研究──ルイス・バラガンとファン・オゴルマンを事例として」、『世界の名作住宅をたずねる ルイス・バラガンの家』(共著、新潮社)。