ホーム > 書籍出版 > 難破する精神 世界はなぜ反動化するのか

難破する精神 世界はなぜ反動化するのか

難破する精神 マーク・リラ 著

おススメ本

なぜヨーロッパで資本主義が生まれたか 関曠野 著 なぜヨーロッパで資本主義が生まれたか 関曠野 著 『プラトンと資本主義』『ハムレットの方へ』で衝...
啓蒙思想2.0 ジョセフ・ヒース 著 啓蒙思想2.0 ジョセフ・ヒース 著 現代社会は〈右翼/左翼〉ではなく、〈狂気/正気〉...
反逆の神話 ジョセフ・ヒース/アンドルー・ポター  著 反逆の神話 ジョセフ・ヒース/アンドルー・ポター 著 60年代に生まれたカウンターカルチャーは現代社会...
大格差 タイラー・コーエン 著 大格差 タイラー・コーエン 著 テクノロジー失業に陥らないために何をなすべきか?...

マーク・リラ 著

山本久美子 訳

会田弘継 監訳

発売日:2017.08.31
定価:2,592円
サイズ:四六判
ISBNコード:978-4-7571-4349-4

オンラインで購入

お電話やFAXでのご注文はこちらへ

この本の内容

アメリカ大統領選中に緊急出版され、トランプ現象の背景にある政治的反動という思想をときあかし、ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ、フィナンシャル・タイムズ、ニューヨーカーなどにとりあげられ、アメリカの論壇で大きな反響を呼んだ一冊。

宗教が確固たる信仰のシステムもっていた時代は、神の超越性のもと人間の存在は盤石であった。人間理性中心のヒューマニズムにもとづく近代世界は、ユートピアという未来にむかって、より豊かにより善き生を、不断なく目指すことによって、人間の存在は保たれていた。
しかし、宗教もヒューマニズムも力を失い、向かうべき理想・未来がなくなったうえ、経済的にも沈下し、埋めがたい格差が広がっている。人々の精神は、寄る辺を失い、彷徨っている。人々は自らの実存を保つために、現在の価値観・システムを否定し、失われた過去の栄光にすがりつき、その再現までも試みはじめた。
本書は、反動思想の源流に遡ることによって、現在世界的に猛威をふるうその本質に迫る。

☆反動(reactionary)とは?
フランス革命の際に生まれた歴史・政治用語で、革命勢力から見て反革命的な姿勢、行動のこと。現在では、アメリカの保守的な人々や、ヨーロッパの民族主義者、イスラームのジハード主義者など、広く既存の社会秩序・システムへの不満を表明する人々にたいして使われている。その思想的な特徴としては、「革命」がイデオロギーにのっとった未来やユートピアへの期待や願望の実現を目指すものだとすれば、「反動」はそれへの幻滅であり、過去へのノスタルジーとして現れる。

書評掲載情報

週刊東洋経済 2017年10/7号 (2017年10月02日付)

目次

はじめに 難破する精神

I 反動の思想家たち
 1 フランツ・ローゼンツヴァイク――宗教を求める戦い
 2 エリック・フェーゲリン――内なる世界の終わり
 3 レオ・シュトラウス――アテネとシカゴ

II 反動思想の潮流
 4 ルターからウォルマートまで――「選択しなかった道」という誘惑
 5 毛沢東から聖パウロへ――あるフランス左翼の転向

III 反動の事件
 6 パリ、2015年1月――シャルリー・エブド襲撃事件の余白に

おわりに 騎士道精神とカリフ制――ドン・キホーテと政治的イスラーム

解説 会田弘継

著者紹介

【著者略歴】
マーク・リラ (Mark Lilla)
コロンビア大学教授。1956年、ミシガン州デトロイト生まれ。ネオコン系の「パブリック・インタレスト」誌、元編集委員。専門は政治哲学、政治神学。哲学あるいは宗教と政治権力の行使の関係を大きなテーマとして研究している。New York TimesやNew York Review of Booksなどに寄稿。著書に、『シュラクサイの誘惑』(日本経済評論社、2005)、『神と国家の政治哲学』(NTT出版、2011)など。

【監訳者略歴】
会田弘継 (あいだ・ひろつぐ)
ジャーナリスト、青山学院大学教授。1951年、埼玉県生まれ。共同通信社ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを経て、現職。アメリカ保守に対して造詣が深く、現在メディアや講演会などで引っ張りだこである。著書に、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社、2016)、『追跡・アメリカの思想家たち』(新潮社、2008/中公文庫、2016)など。訳書に、フランシス・フクヤマ『政治の起源』(講談社、2013)、『アメリカの終わり』(講談社、2006)など。

【訳者略歴】
山本久美子 (やまもと・くみこ)
翻訳家。1960年生まれ。ロンドン大学アジアアフリカ研究学院博士課程修了(PhD)、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学(表象文化論コース)博士課程中退。東京大学特任准教授を経て、おもに映画やITを専門とする翻訳家に。訳書に『みんなの検索が医療を変える』(2017)など。